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プロ写真家が語る 「フォトレックジャケットM IV」インプレッション

2016.01.04 Update

カメラ用ジャケット新製品の詳細とプロ写真家による最新レビュー

カメラ用リュックのレビュー特集
カメラバッグレビュー

1970年長野県生まれ。自動車販売会社退職後、バイクショップに勤務。後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始めるが写真に自分の可能性を見いだし写真家を志す。写真家竹内敏信氏のアシスタントを経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を16年間取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトルの写真集を2014年11月に信濃毎日新聞社より出版予定。『山岳島_屋久島』写真集(日本写真企画)は8年間で400日を越える取材を敢行。小説家・新田次郎氏著書『孤高の人』の加藤文太郎や『アラスカ物語』のフランク安田に憧れている。
【日本写真家協会会員 ・日本写真協会会員】

>> <WEBサイト>写真家秦達夫オフィシャルサイト

カメラ用バックパック秦達夫のレビュー

フォトレックジャケットに新しいモデルが追加になった。モデル名はフォトレックジャケットmarkⅣ。4世代の進化を経ての登場だけあって完成度はかなり高い。前モデルのmarkⅢとの大きな違いはシンサレートが入っているところにある。アウタージャケットの役割は外気温から身体を守るために着用するのが目的である。MarkⅢの様に中綿の無いジャケットは激しい運動が予想されるときに着用する。何故ならたくさん歩き熱いのだが風が強くアウターウエアを脱ぐ事が出来ない事があるからだ。綿無しは保温能力が心配になるが中にダウンやフリースを着込むレイアードカスタムをしていくのが基本だ。熱くなった時は中身を少なくして温度調整する事が可能になる。今回のmarkⅣはより寒さに適応力を持ったモデルなのだ。ライナーとして同じサイズで同じファスナー形状のフリースならば一体化が出来る仕様になっているのも嬉しい。外生地にゴアテックスが採用されているので防水防寒に優れているのは言うまでも無い。

プロカメラマンのカメラバッグ

インナースカートが装備されて巻き上げて来る風がウエアの中に入ってくるのを防いでくれるのも嬉しいところだ。このインナースカートはズレ防止の為にゴムが付いている。これがクリーニング時に劣化することがあるのでファスナーで着脱が出来るようになっている。とても細やかで作り手の心遣いが感じられる。

プロカメラマンのカメラバッグ

フォトレックジャケットの代名詞大型胸ポケットは大口径望遠レンズが左右どちらにも入れる事が出来る。iPad Airですら無理なく入るので撮影の時に大変便利である。その他大小のポケットが配置されており小物を整理して収納する事が出来る。撮影の合間にレンズ交換をする時などこれらのポケットが役に立つ。これだけレンズが入るならカメラザックは必要ないと思うかもしれないがジャケットにレンズを入れっぱなしにすると重たくて疲れてしまう。撮影時以外は「カニスミノルⅡ」など出し入れしやすいザックに収納することをお勧めしたい。


二神 慎之介

1977年生まれ。写真家。広告・カタログ等のライティング、及び雑誌・広告への写真素材の提供や映画の劇中写真集等を担当。日々の仕事をこなしながら、北海道道東地域で「森のヒグマ」を中心とした野生動物を被写体に撮影活動中。2015年、札幌・東京・横浜で写真展を開催。現在は東京在住。北海道と行き来しながら、本州の野生動物撮影も行っている。

>> <WEB>Sinh Futagami PHOTOGRAPHY

カメラ用バックパック秦達夫のレビュー

着用してみてまず気に入ったのは、しっかりしたつくりでありながら、撮影者の動きを妨げないこと。とにかく歩き回る撮影スタイルである私には、これはとても重要。例えば北海道の山を歩いているとき、ハイマツの枝などによくひっかかるので、あまり薄手のジャケットだと破れてしまうこともありますから。
さらにインナーを取り外しできるユニットシステムは、歩けば暑く、止まれば途端に冷えこむ道東の森をメインフィールドにする私にとって、非常にありがたいシステムです。気温差の激しい登山では必須と言えるウェアのレイヤリング。これは寒い場所を重い撮影機材を背負って移動し続け、ここぞという場所で長時間待ち続ける、体感温度の極端な差に晒されるワイルドライフフォトグラファーにとって、常に気を付けなければならない重要なポイントだと私は考えています。
北海道のフィールドでは、春先など、雪が柔らかい時期は湿気も気になります。厳冬期のサラサラとした雪ならば風で飛んでしまいますが、湿り気を帯びた雪は重くウェアにまとわりついて、体温で溶けてきます。このジャケットならゴアテックスのおかげで濡れに強く湿気を逃がしてくれるので、長時間の撮影でも快適に過ごせるでしょう。同様にレインガーターを装備したフードは、その柔らかい雪がファインダー付近に落ちるのを防いでくれます。体温によって溶けた雪による湿気は、ファインダーを曇らせることが多く、私も煩わしい思いをしたので、この細かな設計による撮影者への配慮は嬉しいですね。

プロカメラマンのカメラバッグ

そして大きな機材を持ち歩く撮影者にとって、収納も重要な機能。大型のレンズポケットは、例えば私の使うカメラなら、左右に一本ずつとボディに付けているもの、計3本のズームレンズで24mm-400mmをカバーできます。長時間歩くときはバランスを考えて背中のザックに入れますが、被写体との出遭い方が予測できない季節の境目での撮影行などでは、複数のレンズを取り出しやすい前側のポケットに収納して歩きます。これは撮影チャンスを逃したくない私にとって嬉しい機能です。 さらに他のポケットも大きめでしっかりした造りになっているので、超広角の単焦点レンズなど、サブ的に使いたいものをいつでも出せるかたちで収納できるのは非常に便利。厳冬期では予備のグローブやカメラ機材を温めるカイロなど、急に必要に迫られる道具をいつでも取り出せる場所に入れておけるのもありがたいですね。

プロカメラマンのカメラバッグ

厳冬期から初秋の高山まで。厳しい風雪や雨に晒されるフィールドで、大いに活躍してくれる。まさにネイチャーフォトグラファーのために創り上げられたジャケットだと私は思います。

斎藤 裕史

1968年千葉県生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業。卒業後、大阪をベースに雑誌広告等の撮影を始める。2002年より写真教室、写真撮影ツアー、撮影会などの始動をスタートし、現在は撮影と指導の2本柱に活動中。【キヤノンEOS学園大阪校講師】

>> <WEBサイト>ふっても晴れても写真日和

斎藤 裕史のレビュー

「フォトレックジャケット」は以前から評判がいいですね。私の周囲にも愛用者が多く、気になるアイテムのひとつでした。今回、撮影用のアウターを新調することになりついに導入!早速着用して撮影に出かけてみました。
 撮影時の服装はとても重要です。特に寒い季節はしっかり防寒対策をしなければ撮影に集中できません。雨、雪、風、低温などから身体を守りつつ、そんな冬の寒さが創り出す表情を捉えなければなりませんから。
 この「フォトレックジャケット」の素材は信頼のゴアテックス。滝の水しぶきがかかっても天候が崩れても気にせず撮影が続けられます。フードも頭部全体をしっかりと守ってくれそうです。ウエスト部のスノースカートも下から入ってくる冷気から身体を守ってくれます。そして、それらが着脱可能なのがうれしい。撮影状況によってはフードが邪魔に感じることがありますし、気温が高めの日はスノースカートがあっては暑いなと思うこともあるからです。

斎藤 裕史のレビュー

今回、このジャケットにライニングファスナーで装着することのできる「サーモライトダウンジャケット」と「ファジーライトフリースジャケット」も併せて購入してみました。晩秋や早春は「フォトレックジャケット」単体で、寒くなってきたら「ファジーライトフリースジャケット」を、厳寒期には「サーモライトダウンジャケット」を装着すれば、気温に合った快適なコンディションを保つことができます。

斎藤 裕史のレビュー

当初、ライニングファスナーで装着する「ユニットシステム」はなくてもよいのではと思っていました。装着が面倒そうに感じたし、手持ちの中間着を合わせるだけで十分だと思ったからなのですが、揃えて正解でした。ライニングファスナーの装着は着用してから行うのがよいと教えていただき、試してみると面倒どころかとても簡単にできる! がっつり撮影したいとき、中間着とアウターが一体化しているととても動きやすく快適なのです。撮影を終えて車内に戻ったらファスナーをはずして「フォトレックジャケット」だけを脱げば、薄着になりすぎずにすみます。逆にちょっと外に出て状況を見たいときは中間着の上から「フォトレックジャケット」をさっとはおり、よし、気合い入れて長時間撮影するぞ、となればライニングファスナーで装着してから前を閉める。気分も切り替わります。
 最後になりましたが、このジャケットの最大の魅力は「望遠レンズポケット」でしょう。70-200 f2.8クラスのレンズがフードをつけた状態で収納可能。しかもかなり余裕があります。出し入れがスムーズでストレスがありません。レンズを一時的に置く場所もないような撮影現場も多いです。そんな時でも安心してレンズ交換ができます。これは本当にありがたいです。この「望遠レンズポケット」を含め表にあるポケットは合計8個。レンズキャップやメディアカードホルダー、スマホに手袋、タオル等々こまごましたものをたくさん持ちますから、ポケットが多いのは助かります。多すぎてどこに入れたかわからなくなることもあるのですが、それは私が整理下手だから。入れるポケットを決めて常に同じ場所にしまうようにすれば、とても機能的で使いやすいと思います。


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