自然の息吹が聞こえる

都市の喧騒を離れ、
奥深い森林に足を伸ばすとやがて聞こえてくる。
大小の岩々を伝う清冽な流れ。
悠久の自然が織りなす神聖な水音だ。
その神々しい流れは芳醇な栄養を集め、
運び、生命を育てる母体のようでもある。
岩魚に山女魚…、渓流に生息する魚は美しい。
鮮やかで美しい自然が、
生態系の豊かさに起因していることは
言うまでもない。

パーマーク

パーマークの誘惑

山女魚と書いてヤマメ。山女魚たる所以はその美しい容姿にある。しかも、なかなかの気分屋さん。分かりやすく言えば、警戒心の強いお嬢さま。とでも言えばいいだろうか。ご存じのように山女魚には小判の斑紋がある。「パーマーク」と呼ばれる模様だ。鱒をふくめてサケ科魚種の稚魚に見られる模様で、一般的には成長するにつれ消えてゆく。だが稀に、鮮明に残ったまま一生を終えるものもいる。その象徴的な渓流魚が山女魚だ。「渓流の女王」と賛美されるほどシンボリックなパーマークを着こなし、水面を華麗にダンスする姿は、羨望の的となり釣り人の心を射止めてやまない。

ランドロック

ランドロックへの礼賛

本来、ヤマメは一度海まで降りたのちふるさとの河川に戻ってくるのだが、降海せずそのまま成魚となるものがある。これを「ランドロック/陸封」と呼ぶ。氷河期の終焉による水温の変化、近年ではダムや堰堤による人為的な影響など諸説あるが、「ランドロック」によって山女魚は山女魚たる美貌を保つ生態系を確立したことは称賛すべきことであろう。成魚となっても鮮やかなパーマークを着飾った山女魚に出会える幸せ。それは紛れもなくランドロックがもたらした恩恵であり、雄大なる自然からの贈り物に違いない。自然が豊潤な棲息環境を育てている。そして、ときめきや癒しといったこの上ない価値を与えてくれる。我々にそう教えてくれる山女魚には敬意をはらいたい。

限定商品

True to nature

SPECIAL PRODUCTS

LANDLOCKER MODEL
山女魚を主人公に生態系の循環をコンセプトとしたLANDLOCKER MODELが新たにスタートします。前回の岩魚岩アイテムに続き象徴となるグラフィックでは、自然と真摯に向き合うFoxfireの精神とより魅力的なアウトドアクロージングを具現化。Tシャツ、タックルベスト他、タンブラーなどの小物類も新たに限定商品としてお届けします。

山女魚について学んでみよう!

分類

サケ目サケ科サケ属

学名

Oncorhynchus masou masou

形態

全長20~30cm。体側に持つ紫色のパーマークが特徴。成魚になってもパーマークは消滅することはない(陸封型)。やや側扁した紡錘形で、背ビレと尾ビレの間にはサケ科の特徴である脂ビレがある。パーマークと呼ばれる楕円形の斑紋があり、ほかにも不揃いの黒斑がある。アマゴには赤い斑点がある(ヤマメには無い)ことで見分けられる。

分布

分布域は、北海道から神奈川県酒匂川以北の本州太平洋側と山口県までの日本海側全域、九州は大分県南部以南だが、現在では放流が盛んで分布域を超えての棲息も多い。

生態・生息環境

本州では岩魚より下流部に生息する。混在する時は岩魚より優位に立ち棲み分ける。産卵期は北陸9月下旬~10月中旬、西日本10月下旬~11月上旬。冷水を好む魚で、夏でも水温が20℃を超えない場所で棲息。警戒心が強く、人が近づくと岩陰に素早く隠れ、しばらくは出てこない。食性は悪食・獰猛で、主に水棲昆虫、陸棲昆虫、トカゲ、小魚なども捕食する。産卵期は晩夏から秋で、砂礫底の流れのなかで産卵。孵化後は河川の環境によるが、エサの豊富な本流域では1年で20cmまで成長する場合もある。寿命は2〜3年で、体長は25〜30cmほどとされ、サクラマスの場合は、体長は70cmほどに成長。

    【参考文献】
  1. サケマス・イワナのわかる本(山と渓谷社)
    【写真提供】
  1. Ogasan
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