フィールドで真価を発揮する
「Octa cpcp」の機能とは

Foxfireから2022年にデビューした注目の新素材「Octa(オクタ)」。軽量かつ保温性が高く、吸汗速乾性もあるため、特に登山などのアクティブインサレーション(運動中に着られる防寒着)に向いているオクタを採用したアイテムは、2023年秋冬シーズンにラインナップがさらに拡充しました。

そこで、実際にフィールドでオクタを使用している登山ガイドの石川 貴大さん、ロングトレイルハイカーちゅーたさんを迎えて「実際のところオクタってどうなのか?」をざっくばらんに語っていただきました。

石川 貴大

いしかわ たかひろ

日本山岳ガイド協会認定の登山ガイド(ステージII)。山岳撮影や歩荷、リバーガイドなど多方面で活躍する。静岡県浜松市を拠点とし、プライベートでは一般登山から沢登り、アイスクライミング、アルパインクライミング、海外登山など、幅広く山を楽しんでいる。

ちゅーた

山をこよなく愛するロングトレイルハイカー。YouTubeチャンネル「ちゅーたのトレイルミックス!」やインスタグラムなどSNSで山旅の魅力を発信し続け、テレビでも山の案内人を務めるインフルエンサー。山小屋を応援するチャリティーTシャツも製作する。

松下 洋平

まつした ようへい

株式会社ティムコ Foxfire プロモーション担当。幼少期より登山を始め、現在はフライフィッシングをメインにフィールドへ足を運ぶアウトドアマン。現在はFoxfireのプロモーション担当として活動しながら、釣り雑誌や釣り番組にときどき出没している。

登山ガイド×旅を愛するハイカー×渓流アングラー。3つの視点からオクタに迫る

「石川さん、ちゅーたさん、今日はよろしくお願いします。お二人は、もともとテレビの山番組のスタッフと出演者ということでお知り合いだったんですよね。まずは、自己紹介がてら、お二人が最近どんな山登りを楽しんでいるのか教えて下さい」

「僕は仕事としては、夏はラフティングやカヤックのガイドをメインにやっています。それ以外にも山のガイドや撮影関係の歩荷、それからまだ勉強中ではあるんですがトレランの大会の撮影などもやらせてもらっています」

「近々、海外にも行くそうですね?」

「登山家の花谷泰広さんの若手登山家養成プロジェクト『ヒマラヤキャンプ』のメンバーの一人として、1カ月半ほどヒマラヤの未踏峰にチャレンジしてきます」

「私は山の仕事をしているわけではなくて一般ハイカーの1人ですが、普通のハイカーさんよりは放浪癖がありまして(笑)山も旅も釣りも好きで、自由にやりたいことをやりたい時にやっています。山登りも楽しみつつ、山から降りてふもとの集落に泊まったりするような旅が特に好きですね」

「最近はどんなところに行きました?」

「しばらく海外に行けていなかったので今年は行きたいなと思って、夏に一人旅でネパールへ行ってきました。ネパールの村では、かまどの前で一緒にご飯を食べさせてもらったりして、村の暮らしに溶け込むような旅ができて、とてもいい経験になりました。山スキーのシーズンが始まる前に、今度はベトナムにも登りに行く予定です。300円くらいで少数民族のお宅でホームステイできるらしくて、楽しそうだなと思って(笑)」

「ちゅーたさんは、山とそこに暮らす人たちの広い懐に飛び込んで旅を楽しむスタイル。一方で石川さんはプロとして海外の山やクライミングなど過酷な環境にもチャレンジしていて、2人のスタイルは対称的ですよね。僕は、釣りが趣味で釣りと絡めて山登りを楽しんでいるので、今日は3人それぞれ違った視点から、オクタについてお話ができたらなと思っています」

「汗をかいてもベタッとすることがなくて快適でした」

ちゅーた

「さて、今日の対談のテーマは新素材『オクタ』です。Foxfireでは2022年からオクタを使ったプロダクトを出していて、僕はその前からサンプルを使わせてもらっていたんですが、出会いは衝撃的でした。一見すると薄くてふわふわしているし、風がスース―と通りそうだし、本当に暖かいのか?って疑いの目だったんですが、実際にフィールドで着てみてビックリ。暖かいのはもちろん、動いた時にも暑すぎないないとか、軽さとかいろいろなメリットが見えてきたんですよね」

「それ、すごい分かります(笑)」

「2022年にはまずインナー2モデル、アウター4モデルをリリースしたんですが、好評だったので2023年はバリエーションを増やして、特にアクセサリー類を充実させています。お二人はすでにフィールドでオクタを使っていただいているので、ぜひ感想を教えてください」

「私は山スキーと雪山ハイキングでオクタのインナーを使いました。オクタの長袖インナーの下にタンクトップのドライレイヤーを1枚挟んだり、挟まなかったり。ボトムの下にはオクタのタイツも履いていました」

「どうでした?」

「山スキーは運動量が多くて、けっこう汗をかくんですが、汗をかいてもベタッとすることがなくて快適でした。オクタは汗抜けが良くて乾きも早いので、濡れてしまっても体温でどんどん乾いてくれて。運動量が落ちた時にも着たままで寒くないのがよかったです。オクタは運動量が多いシーンにとても向いているなと感じました」

「肌触りは人それぞれ感じ方も違うと思いますが、ちゅーたさんはオクタのインナーの肌触りをどう感じましたか?」

「肌面が起毛しているのでチクチクしそうなのに、触ってみると柔らかくてモフモフして気持ちいいんですよね」

「実はオクタはもともと中綿と裏地を一体化した生地として開発されたんですよね。なので、片面は裏地に適した目が荒くて通気性の高いメッシュ地、片面は空気をため込む起毛繊維という構造になっています。それを通常の使い方とは逆にして、起毛面を肌面にしているんです」

「あと、軽くてコンパクトになるのがすごく良くて。縦走の時に荷物を少しでも軽くできると負担が軽くなるので嬉しいですね。今まではメリノウールのインナーの上にフリースを重ねて、その上にシェルを着ることが多かったんですが、オクタのインナーは暖かいので場合によってはフリースを省くこともできて、そうなるとさらに軽量化できますよね」

「-20℃にもなるカナダの極寒環境で毎日オクタを着ていました」

石川 貴大

「僕も最初にいいなと思ったのは軽さでしたね。それから着てすぐに分かる暖かさ。海外に行ったときに-5℃~-20℃の環境下で着てみたんですが、その時にも瞬間で暖かさを感じて驚きました」

「どこに行っていたんですか?」

「カナダのヘルムケンフォールズという滝にクライミングのサポートと撮影のために行っていました。この滝の裏側にオーバーハングした壁があって、アイスクライミングの世界最難ルートが集まっているんです。普通の雪山と違って、滝の裏という特殊な環境なので、歩く場所は凍っているし、滝自体は凍らないので水しぶきで濡れちゃうんですよ。そういう環境で着るウエアとしてもとても良かったです」

「オクタはマルチレイヤリングのどの部分に着ていました?」

「この時は、肌の上に直接ベースレイヤーとしてオクタのインナーを、その上にオクタのフーディーをミドルレイヤーとして着ていました。その上に薄い化繊ダウンとシェルですね。暖かい日にはフーディーは省くこともありました。クライミングギアやカメラを背負っているので、汗をかくことも多いんですが、オクタは濡れてもすぐ乾くので汗冷えしなくてすごく助かりました」

「カナダにはどのくらいの期間いたんですか?」

「カナダには3週間いて、その間、毎日オクタを着ていました。撮影の関係でホテルに戻っても洗濯する時間がなくて、ずっとオクタを着ていたんですが臭いが気にならなかったのは嬉しかったですね」

「寒暖差が激しい秋冬キャンプや運動量が多い釣りシーンでも脱ぎ着が必要ない」

松下 洋平

「僕はお二人と違って、渓流釣りとキャンプでオクタを試してみました。すごくいいなと思ったのは、秋冬のキャンプ場のように寒暖差が激しいシーンとか、釣りのように運動量が多いシーン。そういうときにもいちいち脱ぎ着して調整しなくても、オクタなら着っぱなしでも快適なのは嬉しいですね。とくに渓流釣りのようにあまり荷物を増やせないときには助かりますね」

「脱ぎ着が減るのはクライミングでもメリットでしたね。登山の教科書だと、基本的に脱ぎ着をして体温調節しましょうと書いてあるんですが、クライミングだと途中で脱ぎ着するのは難しいので」

「あと、釣りをしているとよく袖が濡れてしまったりするんですが、濡れてしまっても暖かくて、しかも乾きが早いオクタは、釣りとの相性がいいなと感じましたね」

「ネックウォーマーは口元がバリバリに凍らなかった」

石川 貴大

「石川さんには、今シーズンからラインナップに加わったオクタのアクセサリー類もいち早く試してもらったんですが、どうでしたか?」

「今回、僕が試したアイテムの中で一番感動したのはネックウォーマーですね。僕はバラクラバではなくネックウォーマーを使うことが多いんですが、どうしても口に当たる部分が呼気で濡れて、ネックウォーマーを下げた時に凍ってしまって不快だったりするんですが、オクタのネックウォーマーはそれがなかったんですよ。やっぱり水分の抜けが良くて保温力があるのが良かったのかも」

「それが解決されるとすごく快適ですよね! 石川さんの話を聞いて私もオクタのネックウォーマーを使ってみたくなりました。オクタのグローブはどうでした?」

「グローブを外したときに汗で冷たくなってしまうことがない」

石川 貴大

「グローブは撮影の時などに使っていたんですが、撮影するときはどうしても指を出して機材を操作する必要があるんです。普通のグローブだと汗を含んでしまって、外している間に冷たくなってしまうことも多いんですけど、オクタはそれがなくて、また装着したときに暖かいんですよ。グローブが全く水分を含んでいないというわけではないんですけど、べちゃっとして冷たいほど濡れていることはなかったです」

「実は私も手汗が多い方なので、汗で手が冷えてしまうことが多くて。グローブ選びはすごく悩んでました」

「登山する人ならみんな冬の手袋は悩みますよね。僕の場合は、カナダの極寒の環境でもオクタのグローブの上にオーバーグローブ、寒い時にはもう1枚重ねて3枚重ねにして、指の感覚がなくなるような状況にはならなかったですね」

「フラップが耳を包み込んでくれる感じがいいですね。暖かい」

ちゅーた

「あと、オクタのいいところとしてはウールと違って洗濯に強いんですよ。汗をかいたり、ネックウォーマーにお化粧がついたりしてしまっても気兼ねなく洗濯してもらえます。それから実はオクタのアクセサリーはもう1つ、キャップもあるんです。これは2人とも初めて目にすると思うんですが、どうですか?」

「かぶってみていいですか? あ、フラップが耳を包み込んでくれる感じがいいですね!暖かいです。よくあるモコモコのフラップよりもフィット感がいい」

「確かにこのフラップがいいですね。モコモコのフラップは収納しても外に出てしまっているけど、このフラップはキャップの内側にすっきり収納できて、収納したままかぶっても違和感がないです」

「冬はこのキャップだけで十分暖かいと思います。ただ頭頂部にボタンがあるのでヘルメット装着時のインナーキャップには向かないんですけど、山だけでなくてタウンユースでも活躍すると思います。あと、オクタの生地の特性上、フラップをしていても音が聞きやすいのでその点もいいですよね」

「オクタを使ったアクセサリーは今後もどんどん増えて欲しいですね。とくに個人的にはバラクラバが欲しいです(笑)。期待してます」

「僕もバラクラバ期待してます(笑)」

「お二人には僕らが想定していなかったようなシーンでも使っていただいて、とてもいいフィードバックをいただけました。今後もぜひいろいろとアイデアをいただければと思います。今日はありがとうございました」