写真家・二神 慎之介『スコーロン』フィールドインプレッション

2016.03.30 Update

野生動物を追う人にこそ、スコーロンを。

 

 野生動物の撮影において、最も時間を費やす2つの行為は「歩く」ことと「待つ」ことです。痕跡を探しながらの森歩きは、人が通る道を外れることも多く、藪の中を泳ぐようにして歩いて行くこともしばしばあります。その時に最も気を付けなければいけないのは、もちろん「クマとの鉢合わせ」なのですが、その次に怖いのは「“噛む虫”」ではないでしょうか。動物を追って歩く茂みの中のけもの道には、たくさんの“虫”が待ち構えているはずです。ですから撮影を終えて車に戻り、まず最初にすることは衣類やカバンを叩くこと。気休めですが、これで連れて帰ってきた“虫”を落とします。例えば道東の森でヤブ漕ぎをして車に戻ると、大抵は数匹の“虫”を発見します。特にズボンの裾の裏側なんかに潜んでいることが多いですね。

 

沢筋で一息。高い吸汗速乾性能もフィールドでは有難い。

 

車に乗る前に丁寧に確認をして、見つけた“虫”を叩き落としても、やはり見落として、車の中に連れて入ってしまうことは多々あります。車内のシートで一息ついていると首筋になにかが動いている…手に取ってみると“虫”だった…ということもありましたね。


 森の中で、動物の出現をじっと「待つ」こともあります。テントの様な密閉できる空間があれば比較的安心ですが、撮影用のブラインドテントにはボトムがありません。また、急な斜面や木々の合間など余裕のない地形で「待ち」の撮影をするときは、ブラインドテントすら張ることができません。こういう時は、いうまでもなく様々な虫の攻撃にさらされます。中でも「“噛む虫”」は野生動物に取りつく生き物です。動物の出現を待つ場所は、野生動物の通るけもの道や採餌場など“虫”がたくさんいる場所、と言っても差し支えは無いでしょう。

 

カワイイ、キタキツネの子供を撮影中…よく覗いてみると左目の上に…

 

グレイングラブには、スマートフォン操作も可能な帯電合皮が。カメラの操作時にも滑り止めとして機能する。こういう細かい配慮が、フィールドでの撮影効率UPに一役買っている。

 

 「歩く」ことにおいても「待つ」ことにおいても、自分の足で自然の中に分け入って動物を追うスタイルの動物カメラマンは、非常に高い確率で“虫”に取りつかれると考えていいと思います。しかし“虫”は、取りついてすぐに噛む、というわけではありません。しばらく取りついて、おそらく人間の衣類の隙間や身体を歩き回って、手頃な場所を見つけてから噛むのではないでしょうか。森の中で「歩く」「待つ」を繰り返すうえで、“虫”のいる場所に行かない、ということは難しいでしょう。しかし、暫くしてから噛むという“虫”の性質を考えると、いかに出会わないか、というよりも、いかに短い時間で“虫”を追い払うか、ということが重要になってくると思います。


 私がスコーロンという新素材のウェアが非常に画期的だと思うのは、その部分です。いわゆる忌避剤の役割を果たすので、衣類の裏地や裾に取りついた“虫”をすぐ追い払ってくれる、という効果が期待できます。昨年の撮影からスコーロンのウェアを着用していますが、今のところ“虫”の姿を目にしてはいません。また、じっとしている間も、虫に悩まされることが減りました。カメラマンや研究者など動物を追って道なき道をいくフィールドワーカーにとって、非常に魅力的なウェアだと言えるでしょう。欲を言えば、スコーロンのスパッツのようなアイテムが欲しい。“虫”は靴の中に入り込んでいることが多いので、“虫”がたくさんいるエリアでは、私はスパッツを着用し予防していました。これは予防策としては効果が高いと思います。スコーロンのスパッツがあれば、最高

 

沢沿いをツキノワグマの痕跡を探して歩く。暑いので首筋はタオルでガード。じっとしているときはパーカーを着用し、フードで顔も含めてガードする。

 

 それからもう一つ、スコーロンを特にお奨めしたいのは、家に小さなお子さんがいらっしゃる方です。うっかり家に持ち帰り、そこからお子さんに“虫”が取りついたとしたら…。考えただけでもぞっとしますが、私の場合はスコーロンを使用する前から、装備品は自分の部屋に置いて出さず、他の家族はしばらく入れない。自分の着ていたウェアはすぐに洗濯する、等隔離を徹底していました。ただ、洗濯をしてもウェアのポケットの裏地などに入り込んでしぶとく生き残る“虫”もいるので要注意です。また、お子さんを車に乗せる時も注意。“虫”が車の中に潜んでいる可能性もあります。こういった危険性を、大幅に減じてくれるのが、スコーロンのもう一つの魅力と言っていいでしょう。そうそう、洗濯耐性が高いのも、スコーロンを安心して愛用できる要素の一つですね。


 

本州の撮影に一区切りがついたら、夏には再び北海道に向かいますが、“虫”の多い道東の森で、スコーロンは非常に頼れる存在になってくれるでしょう。

 


写真家・二神 慎之介(ふたがみ しんのすけ)

 1977年生まれ、愛媛県出身。道東を中心に野生動物を追い、森のヒグマをメインの被写体に撮影活動を続ける。現在は東京在住。北海道と行き来する生活を送っている。
<WEBサイト>Sinh Futagami Photography.

 

 

 

【お断り】このレポートは事実に基づいて掲載しておりますが、スコーロンの効果効能は使用環境・条件等により、必ずしも保証するものではございませんので、ご理解のうえご活用いただきますようお願い申し上げます。一部具体的な虫の名前を“虫”という表現に置き換えて掲載しています。