小澤 幸子『スコーロン』フィールドインプレッション

2016.05.30 Update

デザインもお気に入り!ハイチでの医療活動にはスコーロンが手放せません

 

 私は「ハイチ友の会(ハイチ共和国復興支援NGO)」で、毎年ハイチを訪問し、医療活動をおこなっております。ハイチは、マラリアやデング熱、チクングニア熱、ジカ熱などの疾病媒介蚊がたくさん生息しており、常に気を遣って活動していますが、診察中は、病院のオープンスペースに座りきりで、農村のフィールド調査では、いつも虫よけスプレーを持ち歩き、汗をかくたびに使用しています。電気の供給が不安定なため、夜は網戸つきの簡素な宿舎の一室で、蚊取り線香を炊いてきましたが、どこからか忍び込んだ虫の前にいつも敗北を喫してまいりました。天井からつるす薄い網状の蚊帳でベッドごと覆った中で眠るのがハイチ流ですが、ちょっと素肌が接する部分に、蚊帳越しに刺されるなんとこともしばしばで、隙を狙う虫の羽音で気が狂いそうになり、耳栓をしないと眠れないのが常でした。

 

 

 本業が病院勤務医で、しかも感染対策委員長なる役職もいただいているため、熱帯病にかかるわけには絶対いきません。今年の4月の末からGW明けまでの2週間弱のハイチ訪問では、滞在中ほぼ全日スコーロンのウェアを着用しその効果を確かめてみました。まず着心地ですが、パーカーは非常に薄く通気性がよくて涼しい!色展開が豊富でデザインもすっきりしており、誰にでも似合う感じ。嫌な臭いは一切しませんでした。パンツも薄手で軽い着心地。そのくせ藪の中をあるいても、衣類にくっついてちょっとやそっとじゃ取れない植物の種がほとんどつかず、ついても手で軽く払うだけですぐ落ちるところがよかったです。それからすべての製品がたたんでもかさばらず、しわにならず、速乾性に優れ、手洗いして軽く絞って干すだけでその日のうちに乾いてしまうところは最高でした。

 

 

 肝心の防虫効果ですが、最初の2日間は露出した部分にのみ虫よけスプレーをし、パンツの裾に虫が嫌うシトロネールの匂いがするシールをはりつけただけで全く刺されなかったのですが、虫がうようよしている食堂で事務仕事をしている最中に、ついにスコーロンの上から二の腕とふくらはぎを刺されてしまいました。ショック!!それであれば「スコーロン着用しなくても一緒じゃないの?」と思った私はスコーロンを脱ぎ、しばしばTシャツで過ごしてみたのですが、すぐさま10分間で3か所も刺されてしまい、あわててスコーロンを羽織りなおすことになりました。

 

 

 結論から申しますと「スコーロンは万能ではない。しかし多くの虫がスコーロンを嫌う」ということは確かだと思います。またスコーロンを着てハイチに行きたいか?答えはもちろんYESです。虫よけ以外にもいいところがいっぱいですので、私的には合格です。  なお、Foxfireを展開する株式会社ティムコの社員様には、ハイチの人たちを応援するメッセージ入り写真にご協力いただきました。遠い日本からハイチを気にかけている人がいるというメッセージは、ハイチの人たちに微笑みと励ましをもたらしてくれました。ご協力に深く感謝いたしております。ありがとうございました。私たちはこれからも頑張ります!

 


(写真左)小澤医師

NGO代表/内科医師・小澤 幸子(おざわ さちこ)

1995年に設立された、カリブ海に浮かぶ西半球最貧国・ハイチ共和国の復興を支援するNGO、ハイチ友の会の創立者にして代表。ハイチの灼熱の太陽とハイチの人々との交流を愛し、会の設立以来ほぼ毎年ハイチを訪問しているが、虫に愛される体質のせいか、毎度悩まされている。奇跡的に疾病媒介蚊による感染症歴は無し。山梨市立牧丘病院内科勤務医。
<WEBサイト> ハイチ友の会

 

 

【お断り】このレポートは事実に基づいて掲載しておりますが、スコーロンの効果効能は使用環境・条件等により、必ずしも保証するものではございませんので、ご理解のうえご活用いただきますようお願い申し上げます。
※一部具体的な虫の名前を“虫”という表現に置き換えて掲載しています。