戸塚 学『スコーロン』フィールドインプレッション

2022.07.19 Update

今シーズンも全国各地の撮影でスコーロンが大活躍!

 

愛知県・海岸編

 

地元の海岸で今年もコアジサシが繁殖をしているというので新型のカメラのテストを兼ねて6月1日、1泊で出かけた。残念ながらこの取材が終わってから今年の新作のスコーロンが自宅に届く手筈になっていたので、昨年のスコーロン上下と帽子を装着しての取材にとなった。撮影の方はあいにく午後から曇ってしまったことと、潮の関係でこちらにコアジサシが飛んで来てくれないので早めに切り上げお風呂へ向かうと・・・定休日。

 

コアジサシ

 

撮影はイマイチだわ、風呂にも入れないなんて本当に最低だ。それでも海岸まで車で入れるので夕日を眺めながら車のドアを開けてハイボールを飲みながらご機嫌でいた。日も暮れ西の空の色もすっかり闇に変わる頃だった。「かゆい?」かゆいのだ、両手両足が!まさか北海道の海岸に出るあの茶色の大型の刺す虫か?いや、奴に刺されると激痛が走るがそれがない・・・となるとこの数年北海道の湿地で、全身スコーロン武装で奴との対決に体を張って挑んだが、奴らが現れず不戦勝になっていた、この気づかぬうちに群れで襲い来るのは。あの白くて小さな米糠のような奴らに違いない!上下スコーロンで完全武装していたことで気が緩んでいた。不覚だった・・・まさか地元のこんな海岸でやられるなんて。手はともかく足は靴下を脱いでリラックスしていたのが敗因だ!悔しすぎる今日は本当に超最低な1日だ。それにしても痒いぞ!!!

 

翌日は快晴無風で米糠軍団が襲ってきてもいいのだが、グローブを装着してのスコーロン完全武装で被害は0だった。

 

コアジサシ

 

夕陽

 

 

北海道・草原&森編

 

北海道に到着してまず、今年の新型を開封する。袋を開けると「あぁ・・・スコーロンの臭いが!」(注:スコーロン剤は無臭のため、定着剤と思われます)。さっそく身に着け現場に向かったのだが、今年の道東根釧地域は天気が悪くとても寒い。寒いのでスコーロンの上にインナーダウンを着込みその上下はレインウェアの日々が続き、まったく検証ができないし虫自体がほとんど飛んでいない!昨年は指の出ているグローブだけだったが、今年は指の出てないグローブまで準備をしたというのに。

 

ウマ

 

エゾシカ

 

雨が上がった森の中でエゾライチョウを探しに林道を歩くが、やはり寒いせいか虫が寄ってこない。残念だ、残念過ぎる。長靴を履いているせいもあるのか、くっつく虫も森を出てからのチェックで確認ができなかった。おまけにエゾライチョウにも出会えずがっかりな結果となったもののヤマセミに出会えたのはうれしかった。

 

ヤマセミ

 

エゾフクロウ

 

今回は自分の取材だけでなく、ツアーガイドもしていた。ツアー中も寒かったことと船を使った海上からの撮影が多くこれまた検証ができない状況だったが、ツアー最終日のことだ。湖畔の遊歩道を7人で歩きながら生き物を探していた。初めは小雨が降っていたが途中からそれも上がり、日差しが差すと徐々に「むっ」とした空気に変わった瞬間だった。今までどこに潜んでいたかわからない巨大な茶色の刺す虫が私たちの周辺で乱舞を始めた!ここで一人立ち止まり敵の攻撃がいかほどのものか検証をしたいところだが・・・お客様を巻き込むことができないので手で払いのけながら移動を続ける。ちなみにこの大型の刺す虫はジーンズの上からも刺すのだ。そしてその瞬間「チカッ」とする激しい痛みを伴い、後は数日痒みが続く。

 

ノビタキ

 

タンチョウ

 

散策の後のこと空港へ移動する前に駐車場でお客様が荷物のパッキングをしている間に気が付いたのだが奴らが私の回りにいない。どうやら大型の奴らにもスコーロンは有効な感じだ。何しろジーンズの上から刺すのだから薄手のスコーロン生地ならたやすく突破できるはずだが、それがないという事は有効と考えていいだろう。ツアー終了後は自分の取材になるので、検証もしやすいだろうと思っていると気温も上がり虫たちの活発に動く気温になっていたのだが、森ではエゾフクロウやハイタカを撮影、草ボーボーの河川敷では小鳥たちを長時間撮影していたにもかかわらず、被害はなかった。やはりスコーロンは手放せないなと実感した。

(北海道には6月9日~21日まで滞在)

 

 

鳥取県・ブナの森編

 

撮影ツアーの前日、先入りで入ったのだが台風が来ていて「行けるかな?」とビビっていたがコースがずれたのか、弱くなったのか?何事もなくたどり着けほっとした。

しかし問題が!目玉の鳥たちの繁殖状況がよろしくないがそんなことは言ってられない。

もう一つの課題「人体実験」だ。しかしこちらは虫がいないのか?スコーロンのパワーなのか?あの「ウザイ」まとわりがない。そのうち来るかなと鳥たちを探しながら歩き廻ったり、ベンチで30分座ってみたが・・・5時間の滞在中奴らは来なかった。

 

ブナの森

 

アナグマ

 

翌日はツアーのお客さんたちと再びブナの森へ入ったが、日中虫たちは寄ってこなかった。

しかし夜、アオバズクの撮影中のことだ。現場にカメラマンが20人近く居たことと、ライトアップされていることもあり奴らはやってきた。撮影を中断して奴らの動向を観察していると腕に5~6匹まとわりついていたが、すぐ飛び立ち視界から消えた。しばらくすると耳元で「ぷ~~~ん」とまとわりついて来た。うっとおしいのでフードを被るとすぐに耳元から嫌な音は消えた。被害は0。2日目の夕方、アカショウビンの出現を待っている時も奴らは来たが、やはりまとわりつくだけで姿を消していった。下界は暑すぎて奴らは出現を控えているが、涼しいブナの森では元気に活動はしていてもスコーロンは奴らを寄せ付けない実力を今年も見せてくれた。(鳥取県には7月6日~9日まで滞在)

 

アオバズク

 

今回はちょいとうれしいお知らせも。私が毎年レポートをするスコーロンが2022年より収益の一部が、日本赤十字社によるアフリカルワンダ支援活動への寄付に充てられることになったという。現地職員&ボランティアの方々にも安心安全に支援活動が行えるようにスコーロン製品をサポートしているという。ウザイ虫から身を守り、その売り上げの一部がアフリカルワンダの支援活動にもなるなんて嬉しい限りだ。

 

 

 

 

 

写真家

戸塚 学 | Gaku Tozuka

 

1966年、愛知県生まれ。野鳥を中心に撮影活動を続ける。現在は野鳥を含む環境の撮影を進め、「きれい・かわいい」だけではない「においのする写真」を目指す。作品は雑誌・カレンダー等に発表。 写真集「鳥たちは今日も元気に生きてます!」文一総合出版 他。
<WEBサイト> Happy Bird’s Day

 

 

 

【お断り】このレポートは事実に基づいて掲載しておりますが、スコーロンの効果効能は使用環境・条件等により、必ずしも保証するものではございませんので、ご理解のうえご活用いただきますようお願い申し上げます。
※一部具体的な虫の名前を“虫”という表現に置き換えて掲載しています。