INTERVIEW

2023 Fall Winter New Arrival
Presented by Foxfire.
Product by Yonetomi Seni.
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PROFILE

アウトドアライター三浦晋哉

アウトドアライター

三浦晋哉Shinya Miura

FMラジオディレクターとして、人気アウトドア番組「The Burn」(FMヨコハマ)を手掛けたのち、アウトドアライターに。GO OUT、CAMP HACKなどで記事を執筆中。都市型アウトドアイベント「アウトドアデイジャパン」の企画・運営や自身で立ち上げたブランドのプロデュースも手掛ける。趣味はキャンプ、フィッシング、カメラ。釣りでは250種類以上の魚を釣り上げている。

SECTION.01

Prologue

フィッシングセーターの復刻を支える職人技とは!?
山形の老舗ニットメーカー「米富繊維」

Foxfireの生産現場やコラボブランドなどを訪ね、作り手の熱意や技術に迫るこの企画。今回向かったのは、1984年に発売されたフィッシングセーターをアップデートして復刻した「Fishing Full Zip Sweater」の生産を手掛ける老舗ニットメーカー「米富繊維」。アウトドアライターの三浦晋哉がその米富繊維を訪れ、作り手の熱意や技術を取材してきました。

山形駅名標

山形駅から車で20分。途中、山形のご当地グルメ「冷やしラーメン」を堪能しつつ、のどかな田園風景の中にたたずむ「米富繊維」の本社工場へとやってきました。

冷やしラーメン画像

SECTION.02

米富繊維の特色について

米富繊維外観

米富繊維は、OEMでさまざまなブランドのニット製品を生産しているだけでなく、自社内にニットテキスタイル開発部門を擁し、これまでに自社で開発した約2万点ものテキスタイルをアーカイブしています。単なる生産にとどまらず、長い歴史とニットへの技術や知見を活かし、素材開発から生産までを自社工場内で一貫しておこなう、まさに「ニットのプロフェッショナル」。

インタビュー画像

今回、ファクトリーを案内してくれる米富繊維の営業担当“高橋さん”に話をお伺いしました。

高橋さんから見て、ニットの魅力とは何ですか?

三浦晋哉
高橋

糸から編み上げていくニットは、同じ糸を使っても編み方を変えるだけで出来上がりが変わります。どこにでもある糸でも編み方次第で新しいものに変えたりもできるのがニットの魅力ですね。

インタビュー画像

なるほど。ニットの可能性の広さが分かりますね。米富繊維が得意とする編み上げの技術についてもお伺いしてもいいですか?

三浦晋哉
高橋

形状や素材が異なる複数の糸を編み立てることで、さまざまなテキスタイルを表現できる“交編(こうへん)”という技術があります。美しく複雑な編地を作るには熟練の技術が必要で、他社が簡単に真似できるものではないので、まさに米富繊維のアイデンティティといえる技術です。

インタビュー画像

本社工場に併設されたショップをのぞいてみると、その交編で作られたさまざまな装飾的なニットにフォーカスしたファクトリーブランド『COOHEM(コーヘン)』をはじめ、「これもニットなの?」と驚くようなアイテムが並んでいます。

米富繊維店内

ニットが持つ無限の可能性を追求し、高品質で洗練されたニット製品を発信している米富繊維の技術力が感じられるスペースになっています。

米富繊維店内

SECTION.03

米富繊維の
クラフトマンシップ

米富繊維ファクトリー内

さっそく工場を見学させてもらうと、まず目に飛び込むのは、色とりどりの糸がセッティングされた43台の編み機。そして同じフロアには、裁断や縫製を慣れた手つきで進める職人さんから、編み方をパソコンでデータ化するプログラマーまで。1本の糸からセーターが出来上がるまでの全ての工程がワンフロアに収まる工場になっていることに驚きます。

  • ニット工場内
  • ニット工場内
  • ニット工場内
  • ニット工場内
  • ニット工場内
  • ニット工場内
  • ニット工場内

担い手の想い

そんな工場の中でも最終工程となる、下げ札つけや袋詰め、検針、出荷などを担当しており、社内の職種はほぼ全て担当したことがあるという米富繊維一筋35年の高橋さん。休みの日にはブラックバス釣りに熱中していて最近フローターデビューも果たしたそうで、冬には蔵王でスキーも楽しんでいるアウトドアマンです。

インタビュー画像

そんな高橋さんに米富繊維の魅力を聞いてみました。

米富繊維一筋35年の高橋さんから見て、米富繊維ならではの魅力は何ですか?

三浦晋哉
三浦晋哉

米富繊維はニットの中でもいわゆるセーターのような定番のものだけでなく、他のメーカーが作らないような特殊な商品や複雑な服を作ることも多いんです。他には作れないものを作っているところが一番の誇りですね。

  • 米富繊維 高橋さん
  • 米富繊維 高橋さん
  • 米富繊維 高橋さん
  • 米富繊維 高橋さん
  • 米富繊維 高橋さん
競い合い 認め合い 助け合い Yonetomi愛

社内には米富繊維の企業スローガンが掲げられています。

作り手の想い

今回の「Fishing Full Zip Sweater」の復刻もそんな米富繊維の技術力があって実現しました。ベースとなる糸選びからニットの表情を決める編み方のセレクトまで、米富繊維の職人さんとの打ち合わせを繰り返すことで、単に1984年発売モデルの復刻だけでなく、大幅なアップデートを施すことができました。

フィッシングセーター

今回、このフィッシングセーターのパタンナーを担当した奥山さんにもお話を伺いました。

フィッシングセーター

「実家が果樹農園を経営していて、休みの日には収穫を手伝っている」という奥山さんは、高校卒業後すぐに米富繊維に入社。縫製などを担当した後に、社内で人気ナンバーワン職種のパタンナーに就任しました。

パタンナーとは、どのような工程を担当するのでしょうか?

三浦晋哉
奥山

今回のフィッシングセーターでは、身頃や袖、衿などの形をダイレクトに編み上げていく「成形編み」という伝統的な方法で作られているんですが、実際に編み上がった各パーツがぴったりと繋がるか、着やすいように作れているか、量産するときに効率よく作れるかなど微調整をしていくのが、私の主な仕事になります。この調整は3~4回は繰り返しますね。

やはり、人気な職種なだけあって重要な工程を担っているんですね。
ニットは同じように編んでも使う糸によって仕上がりのサイズが変わってくるそうですが、フィッシングセーターの復刻ではどういった苦労がありましたか?

三浦晋哉
奥山

それは“色”によって糸のコンディションが異なるからですね。糸は濃い“色”ほど染めるのに時間がかかります。なので、最終的な仕上がりサイズを揃えるためには、編む密度で微調整をする必要があります。今回のフィッシングセーターはモカとグレーの2色展開なので、それぞれ編む密度を変えることで調整しなければいけなかった点ですね。

  • 米富繊維 奥山さん
  • 米富繊維 奥山さん
  • 米富繊維 奥山さん
  • 米富繊維 奥山さん
  • 米富繊維 奥山さん

この一点だけでも、非常に手間をかけて、熟練の職人が作っているというのがうかがい知れますね。山形の地で生産され、彼ら作り手の思いが詰まった「Fishing Full Zip Sweater」。米富繊維の技術が光るディティールについては、特集ページでも詳しく紹介しています。

フィッシングセーター画像
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Fishing Full Zip Sweater

Fishing Full Zip Sweater

Gray / Mocha

Fishing Crew Sweater

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Red / Gray / Mocha

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